私的TVゲーム批評第四回

昔のプログラマー達の超絶技巧プログラミングゲーム(SG−1000シリーズ編)

  現代のパソコン、及びゲームハードはソフト技術よりもハードの進歩スピードの方が圧倒的に早く、プログラムのノウハウやテクニックが蓄積する前に開発環境が激変してしまう。

  勢いソフトの質もハードの性能を頼んだ練り込みの浅いモノになってしまいがちで、一昔前のように優秀なプログラマが腕によりをかけた超絶技巧ソフトというのは発売されにくくなっている。

  ここでは、ちょっと前のプログラマ達がハードの性能をしゃぶりつくして作ったパガニーニ、リストの曲のようなゲームソフトを取り上げてご紹介したい。この回は、セガのSG−1000シリーズを取り上げる。
 

SEGA  SG−1000の概要

  1983年デビューの、ファミコンと同世代のテレビゲーム機。CPU、スプライト機能のスペック等はMSXと酷似しており、ジョイスティック、ジョイパッドのコネクタもアタリ社の仕様に一部改変を加えた物である。(このため、MSXとSG−1000シリーズでは、ワンボタン式のジョイスティックであれば互換性があった。)
  SG−1000やMSXは、1つのスプライトに使用できる色数が1色しかなく、4色使用できるファミコンに表現能力上劣り、ハードウェアスクロール機能を持たなかった為、ガクガクスクロールと揶揄された弱点を持っていた。
  販売戦略もこの頃からSEGAはへたくそで、ファミコンに水を開けられる一方だったっが、マニアの心をくすぐりまくるソフトのラインナップで、一部の好事家から高い評価を得ていた。こうして見ると、SEGAのゲームマシンに対する評価は過去15年間嫌になるくらい不変(普遍?)のものがある。

  SG−1000は、この他ジョイスティックをジョイパッドに変え、しかも2パッド付属させたSG−1000−2、外付けでBASICカートリッジを持っていたパソコンSC−3000、ツクダオリジナル製で内部にオセロゲームを保持していた互換機オセロマルチビジョン等、SG−1000ファミリーとも言うべき機種展開を行っていた。しかし、これらが束になっても全くファミコンに敵わなかったのは皆さん御存じの通り。悲しいくらいの弱者連合である・・・。

  次世代機種SEGA−MARK3が上位互換を保っていた事もあり、1986年くらいまでは現役機種として粘っていた。
 
 

モナコGP

  1984年に登場したトップビューのレースゲーム。ゲーセン版の移植だが、ゲーセン版に存在しなかった車のジャンプという要素を増やして、ゲーム性はさらに良好になった。しかし、どういう理屈で車がジャンプするのかは謎。ボンドカーかっつーの。
  トンネル、工事現場、Y字路、行き止まり(!!)など多彩な障害物、エネミーカーをかわしてひたすら公道を走る。どう見てもモナコ市街には見えない公道を走る。すべてのコースを走破してスタート地点に戻ると、路上に”FIN”という文字が現われて2周目がスタートする。が、ここで注意したいのは、この走破を祝福する”FIN”という文字すら実は障害物なのである。こいつに衝突すると情容赦なくスピンアウト。過酷だ。

  ゲーセンでも話題になったフォーミュラーカーをぶち抜く最速のモンスターマシン、救急車ももちろん健在だ。
ゲーセン版は路肩によってやり過ごす事しか出来なかったが、SG−1000版はジャンプで華麗にかわす事も可能だ。救急車の上空を舞うフォーミュラーカー。うーむ、ダリやキリコでも想像できないシュールさが炸裂。

  くれぐれも言っておくが、クソゲーではない。当時は群を抜く面白いゲームだったのだ。今もたまに引っ張り出してプレイすると、そのゲームバランスの良好さに驚かされる。しかし、バカゲーかもしれない。
 
 

新入社員とおる君


  新入社員とおる君が仕事をサボってデートに出かけようとするゲーム。悪山課長の仕掛ける多彩な妨害をかいくぐり、会社を抜け出しデートへゴー。って、大問題のゲームではないか。

もともと学生と教師の追いかけっこを企図したゲームらしかったのだが、発売直前に「教育的配慮」が働いて新入社員と上司の関係に改められたという経緯を持つ。グータラ学生は世間が許容しないが、スーダラ会社員は許してくれるものらしい。なんか自信が湧いてきたぞ。

しかし、このゲーム内容の急激な変更により、社員食堂とは名ばかりの体育館が登場したり等、以前の設定が消しきれていないというなかなか珍妙な味わいのゲームに仕上がっている。

  原作はコナミのアーケードゲームだが、この奇天烈なゲームを、SG1000版は  よせばいいのに完全再現。数あるSG1000マニアックなゲームラインナップ中でも、一際異彩を放つ存在感を誇っている。

  BGMは何故かビートルズ。  ”Working like a dog!”って、本当にそんなに働いているのか、とおる君。
 

スタージャッカー


  セガのアーケード名作ゲームの移植。宇宙空間で敵を撃破し、敵要塞に乗り込むという縦スクロール型のシューティングゲーム。ゼビウス型で空中攻撃と地表攻撃を別々に持っている。

  最大の特徴は編隊飛行で、4機縦列で編隊を組んで敵と戦うという新発想が凄い。攻撃力は1機の時の4倍だが、的の大きさも当然4倍であり、敵の攻撃も食らいやすい。そして編隊機の数がそのまま残機数になっているというアイディアもうならされる。

  パックマンの親玉のような空中浮遊要塞を撃破すると1ステージクリアで、母艦まで編隊は自動操縦となって帰還してくれる。このとき点数が一定点に達していれば編隊に新たな戦闘機が追加される。音楽もPSG音源3音とは到底思えぬ秀逸な仕上がりで、完成度非常に高し。特に後期型ROMで追加されたオープニングBGMは初期セガサウンドの中でも名曲の誉れが高い。

  個人的にはアーケード版よりも、SG1000版の方がバランスが良いと思う。
 
 

ボーダーライン

  SGシリーズ最初のソフトにして、自分が最初に購入したセガのTVゲーム。
当時のゲーム評価の観点に、「面数の多さ」というものがあった。インベーダーやギャラクシアン等が、1面をクリアすると全く初期状態に戻りゲームがリスタートするのに対し、この頃のゲームからは内容にストーリー性を持たせ、複数のミッションをクリアさせる事が主流になっていた。ゲーム性の異なるミッションをクリアさせる事で、ゲームの面白さに幅を持たせようとしたものだろう。

  その意味では、このゲームは4つの面(ミッション)を持ち、当時としてはなかなか趣向を凝らしたものであった事が解る。

  軍用ジープがたった1機で国境線を越えて敵の要塞に乗り込むというストーリーで、1面めは縦スクロールのシューティングゲーム、2面めはジャングルを走破することで道をつけて敵の装甲車を誘導、破壊しつつ前線基地を突破、3面めは障害物の間を縫って敵基地を破壊、4面めで再びジャングルにて敵最終要塞を破壊する、という流れだった。

  この内容のバラエティに引かれて購入したわけだが、実際プレイしてみるとどのミッションも本質的な内容は類似しており、面数のパターンが多い割には単調でインパクトに欠けていた感じがある。

  小学生の身分としてはゲームも高価で親にそうそう買ってもらうわけにもいかず、繰り返しプレイしていた訳ではあるが、正直言って飽きるのは早かった。
  しかし、今の視点から見れば、シンプルなオールドゲームとしての良さが光る、悪くないゲームだと感じはじめている。
 

サファリハンティング

  セガの名作アーケードゲームの移植作品。ゲーセンでは「トランキライザーガン」というタイトルだったが、何らかの事情で名前が変更された。移植度は非常に高く、SG版でもアーケード作品として通用したかも知れない。

  ジャングルを跋扈する動物達、ヘビ、ゴリラ、ライオン、ゾウの四種類の動物に、それぞれ麻酔銃を2発、3発、4発、5発撃ち込む事で眠らせて、自分のトラックまで運んで得点を挙げる。捕まえた獲物は動物別にカウントされており、四種類の動物を同数ずつ捕まえる事でボーナスで自車の燃料が補給された。今振り替えるとシステムもゲームバランスも非常に考え抜かれた名作中の名作ゲームなのであるが、当時の自分は、ジャングルから出てくる動物をのんびりと待つ、このゲームのまったりとした雰囲気に馴染めず、飽きるのは早かったような気がする。

  ちなみにこのゲーム、「ゲームセンターあらし」でも登場してエレクトリックサンダーを生み出すきっかけとなった歴史的作品であります。「トランキライザーガン連続発射可能だ〜!!」なんて、んなバカな…。
 
 

ジッピーレース

  アイレムのアーケードゲームの移植にして、自分が初めて触れたセガの家庭用ゲーム。

自動車レースに紛れ込んで何故か1台だけエントリーした250CCのオートバイ。理不尽な状況の中、プレイヤーキャラたるバイクは酔狂にもアメリカ大陸を横断して自動車レースのトップを目指す。

  むー、悪口言おうと思えばいくらでも言えるツッコミ所の多い珍ゲームなんだけど、面白いんだよね、これが。チェックポイントに到達した時に見られるアメリカの各都市もシンプルながらそれっぽいグラフィックでとても好印象だった。

  ゴールのニューヨークまで到達すると一面クリアなのだが、次からはバイクの排気量が500CCにアップしてスクロールスピードが速くなり、難易度アップ。さらには競争相手の自動車も、バイクの2連覇だけは阻もうと、えげつない体当たりを繰り返してくるので、ほとほと手を焼く。
 

サファリレース

  車のカラーリングやスタイルを見ると、どうやらランチア・ストラトスがモデルらしいマイカーに乗り、サファリの荒野をひた走るドライブゲーム。

  敵車の妨害もさる事ながら、無思慮に道路を横切る畜生どもがひたすらうっとおしいゲーム。自車には警笛がついていて、そいつらを威嚇できるはずなのだが、エネミーカーにせよ動物達にせよ、それで動じる気配はない。所詮そんなタマではない連中なのだろう。

  あと、自車のブレーキ性能がすこぶる悪く、ガソリンスタンドの看板が見えたら即、減速を始めないと給油ポイントにうまく停車できない。給油ポイントを一度逃せば、ほぼ荒野でのガス欠立ち往生が確定してしまうという恐るべきゲーム。バックギアくらいつけて走れよ。

  めでたくコースを一周すると、たくさんのカラフルな風船が路上にあふれて祝福してくれる。モナコGP完走経験者としては、あの「FIN」文字の悪夢が記憶をよぎって風船に突っ込むことを躊躇してしまうが、今回は風船が「パンパン」と音を立てて空へ舞い上がるだけの平和な結末。当時は心がひたすらなごんだ覚えがある。
 

ハッスルチューミー

  ねずみが主人公のコミカルアクションゲーム。コンパイルが制作しただけあってゲームバランスはなかなかいい。完成度はまずます高く、遊べるゲームの一本だったと思う。
 

フリッキー

  セガのアーケードゲームの名作を移植したもの。グラフィックの美しさこそさすがにアーケードには遠く及ばないものの、マイキャラの操作性、加速スクロールによるゲームのスピード感は、なんと、アーケード版を凌駕する。

  今でこそ、メガドライブ版やエミュレータを駆使してのアーケード版フリッキーを堪能できるが、正直言ってゲームの面白さという点では、SGシリーズのフリッキーがダントツである。

  ちなみにマーク3(マスターシステム)のエミュレータも世の中には存在するが、このフリッキーだけは微妙な操作性をエミュレートする事が難しく、SG1000版のゲーム性を再現出来ないのだ。

  15年以上たった現在でも、フリッキーのNo.1はSG1000版を実機で堪能する事だと断言する。(色のくすみさえ気にしなければマーク3、マスターシステムの実機でもOK。)
  自分の25年のゲーム歴の中でも屈指の面白さを誇る最高のアクションゲームだと思う。
 

ザクソン

  メガドライブのランドストーカー的な斜め俯瞰から見た擬似3Dのシューティングゲーム。 PSGによって奏でられる虚空に響く冷たいBGMは、能く雰囲気を盛り上げる。

  地表の建造物や飛来する敵機を破壊するためには、自機が高度をあわせて砲撃する必要があり、敵の要塞にて張り巡らされたバリアや障害物も、上手く高低差をあわせて切り抜ける事ができる。
  ある意味コロンブスの卵のような作品であるが、後継はあまり生まなかったようだ。
  シューティングとしてもまずまずのバランスの仕上がりでなかなか面白かったが、特筆すべきは、クールで乾いたゲームの雰囲気、宇宙空間にそこはかとなく漂う虚無感だろう。最後のボス敵を倒した時に画面上部に引き寄せられていく自機は、使命を果たした後に天に召される使徒のような趣だった。

  なお、敵のエネルギータンクを破壊する事によって自機のエネルギーが補給されるのはおかしい、というイチャモンがあるが、これはこの手のゲームではコナミのスクランブルからの伝統なので勘弁してやって欲しい。ちなみにボーダーラインでもそうだったなぁ。
 
 

GPワールド

  スターフォースと並んで後期SGシリーズ最大の売りだったフォーミュラーカーをモチーフにしたレースゲームの秀作。後のマーク3のラスタスクロールを利用したハングオン等には及ばなかったものの、ドライバー視点から見るレースゲームとしてはなかなか完成度が高かった。コーナーなどの曲がりはやや唐突でSGの限界を感じさせはしたけれど、当時としてはまずまずの出来。

  最大の特徴は、プレイヤーがコースエディットも行なえる事。パスワードもバックアップもないので電源を落としてしまえばその場でおじゃんだったが、画期的な機能ではあった。

  ちなみにコース作成のとき、十字交差は作れないのだが、X交差は作れるというのを覚えておくとコース作りに幅ができた。
 

スターフォース

  テーカン(現テクモ)のアーケードゲームの移植作。ファミコンでも発売され、爆発的なヒットとなって、高橋名人等の跋扈する余地を作った歴史的ソフト。
  SG版はファミコンより移植の決定は相当早かったが、実際に発売された時期はたいして違わなかった。ファミコン版の爆発ヒットによりSG版はすっかり影形が薄くなった格好だったが、これも紛れもない名作である。

  やや色調が明るめになったファミコン版よりも、原作の妖しさを受け継いだ正統派。ファミコン版で移植されなかった要素を、逆にすべて詰め込んだような移植作だった。以下にその違いを記す。

ファミコン版                            SG版
○超美麗なスクロール                    ○見るも無残、お馴染みガクガクスクロール
○TVの横長を上手く生かしたレイアウト  ○無理にアーケードに近づけようとした
                                          お馴染み無理矢理縦長レイアウト
○陽気で派手な場違いBGM              ○陰気なのはいいが出力が小さすぎるBGM
○美しいが原作とは違う陽気な            ○原作に雰囲気は近いが地味過ぎる
  グラフィック                            グラフィック
○単純なアルファベット活字のターゲット  ○ギリシャ文字を完全再現したターゲット
○原作ファンには噴飯物の地上絵オミット  ○原作ファンの期待に応えた地上絵の再現

とくに最後の地上絵の有無は、SG派スターフォースファンの魂の拠り所だったといえる。
比べてみればファミコン版の美麗さに圧倒されるかもしれないが、自分はSG版こそスターフォースのスピリットを移植したものと、信じている。
 

ドラゴンワン

  同時期に一世を風靡していたファミコンのスパルタンXに対抗するため、SGシリーズで放たれたカンフーゲーム。製作者もスパルタンXを念頭に置いて開発したのであろうが、スパルタンXをこのゲームに期待するとあてが外れるので要注意。

  操作性はバリバリに悪く、グラフィックもかなりしょぼい。敵は理不尽に強く、バランスも悪い。しかし、スパルタンXというフィルターを取り払ってみると、結構遊べるゲームである。当時、スパルタンXほど洗練された格闘ゲームは逆に少なかった訳で、ドラゴンワンも当時のゲームとしては十分水準の面白さには到達しているのだ。癖はあったが、悪くないゲームの一つだ。
  なお、セガ製初のカード型ゲームソフト。
 

ズーム909

  セガのアーケードゲームの移植作。擬似3Dのシューティングゲームのはしりとも言える存在で、スペースハリアーの先鞭をつけたゲームであろう。

  ゲーセンでは大型筐体に乗り込んで操作するタイプのゲームだった。もともとゲーム性で勝負というよりはグラフィックの迫力で勝負していたようなゲームだったので、
  性能に劣るSG版ではそれなりにダウングレードしている。しかし、ズーム909としてのエッセンスは失っていないので、そこそこ遊べる仕上がりではある。
  美点は何といってもBGM。PSGながらスタージャッカーにも匹敵するような素晴らしいメロディが奏でられる。当時のセガの音楽作曲陣に相当の実力があった事をうかがわせる。
  なお、ドラゴンワンと同時期発売で、カード型ゲームのはしりでもある。
 

チョップリフター

  ブローダーバンドの名作ソフトをSGに移植したもの。後にファミコンでも発売されているが、移植の度合は低く、SG版の方が遥かに出来がいい。
  ファミコンは性能がいいので、移植陣が余計な欲を出して付加要素をつけ、原作ゲームのエッセンスを損なってしまう事がよくあった。チョップリフターはその典型とも言える。その点元々性能に恵まれていないSGシリーズは100%の移植が堪能できる事が多いのだった。泣き笑い。

  ゲーム内容は、国境線を越えて捕虜になった自国民を戦闘ヘリが救出するもので、リアルなヘリコプターの挙動が話題になった。
  捕虜は敵の攻撃のみならず自機の弾を受けても死んでしまうので、いかに捕虜を殺さず救出するかが重要なテーマだった。これを悪用すると自らの攻撃で全ての捕虜を虐殺する事ができる。この時はゲームオーバー時に「血塗られた殺人鬼」との名誉称号を頂戴する事ができる。
 

ピットフォール2

  SGゲーム史上屈指の傑作。米アクティビジョン版が原作の移植ゲーム。広大な地底洞を探検して3種類の宝を見つけ出し、最終的に最高の宝物である水晶を手に入れる事が目的のアクションゲーム。
  アーケード版も存在したが、あちらはフィールド単位に制限時間が存在したのでフィールドアスレチックのような雰囲気が漂っていた。しかしSG版はいかに時間を掛けようとも構わず、じっくり攻略ができたため、より探検の醍醐味を味わえたような気がする。

  毒の池をロープで飛び越え、大口を開けるワニを因幡の白兎、地底湖を泳ぎ、針山を避け、廃坑のトロッコを駆使して様々なトラップを潜り抜け、何処かに隠された3つの秘宝を入手する。ゲームバランスは抜群、気分はすっかりインディ・ジョーンズである。
  家庭用TVゲームの通史から見ても、上位にランクされる傑作だと思う。
  後にポニーキャニオンよりファミコン版も発売されたが、すっかりダメダメ君な酷い移植になっていた。
 

どきどきペンギンランド

  女性うけしそうなペンギンが主役キャラクターである、パズル要素の入ったアクションゲーム。恋するメスのペンギンに対するプレゼントを詰めたタマゴを、彼女の住む氷中地下の最下層まで運んでいく。
  途中、白クマやモグラがタマゴの破壊を狙って妨害してくるので要注意。
  ペンギンは氷を掘って下にタマゴを落としていくわけだが、一定以上の高さから落とすとタマゴは壊れてしまう。このためせっかく白クマやモグラの妨害を防いでも自分の攻略如何によっては自爆してしまう事もありえる。

  当時としてはキャラクターも可愛らしく、ゲームバランスもまずまず。なかなかの秀作ゲームだったと思う。

  余談だが、中学の時、このゲームを先輩に貸したら終に戻ってこなかった。当時妹がこのゲームを非常に気に入っており、責められてすっかりしょげた思い出がある。
 

チャックンポップ

  オリジナルはタイトーのアーケードゲーム。チャックンポップは当時ファミコンで人気を博していたので、自分と同世代の人間ならばプレイした人も多いのではないだろうか。

  SG版はファミコンより後発で移植された。ゲーム内容はまったく変化がないが、BGMが軽快なSG専用のものに変更された。この曲はなかなかメロディがよく、今でも口ずさむ事が出来る。

  ゲーム内容は、主人公のチャックンが、迷宮の奥に囚われた自分と恋人の愛の証であるハートを奪い返しにいくという、なんのこっちゃようわからんストーリーを持つアクションゲーム。シンプルなシステムとゲームバランスが光る佳作。
 

バンクパニック

  セガのアーケードゲームの移植作。アメリカ西部、時は開拓時代。銀行を守る保安官が窓口に来る人を客か強盗か判断し、強盗であった場合は撃ち殺してしまうという中々過激なゲーム。
  窓口に来る強盗は普通の人と違って覆面をしているので非常に見分けやすい。そのまま容赦なく撃ち殺しても大いに結構なのだが、相手が拳銃を抜いてから殺すとフェアプレイボーナスが加算される。後半になると、一般客を盾にしてフェイントをかける強盗や、窓口に爆弾を仕掛ける連中なども登場するので、保安官の仕事の難度はどんどん上がっていく。

  12個すべての窓口から預金を受けると一面クリア。  あやまって一般客を撃ち殺したり強盗に撃ち負けたりするとワンミスになる。これだけ複雑な内容を持ちながら操作は3ボタンの撃ち分けのみというシンプルさ。システムとしてよく考え抜かれている。

  しかし、この街の強盗発生率は異常である。銀行を守る前に街の治安を向上させる方が先ではないかと思ってしまう。こんな事では銀行だけでなく町中パニックになりそうな気がするが…。
 

ロックンボルト

  これは完全なパズルゲーム。主人公はビルを建設する鳶職の青年。設計図通りに鉄の角材をボルトで固定し、エレベーターに乗ってさらに上の階を目指す。

  角材の固定順序をよく考えないと、設計図どおりに固定しても帰りの足場がなくなり、エレベーターまでたどりつけない。最終的に百面(百階)をクリアする事が目的。

  下の階こそ調子良く進めるが、30階以上になると知恵熱が出そうになってくる。また、この建設中のビルは、上に行くほどフロア面積が大きくなるというかなり危険な構造をしている。
 

ヒーロー

  背中に空中浮遊の為のブースターをしょい込み、レーザー光線で武装したヒーローが、マグマの噴火で中に閉じ込められた炭坑夫を助けに行くという凄いストーリー。
  普通マグマ噴火の時点で炭坑夫の命もアウトだと思うが。

  毒蛇、毒蛾、毒蜘蛛が跋扈し、障害物だらけの地底洞窟の中を、ダイナマイトとレーザー光線で道を切り開いて炭坑夫の元まで辿り着けばOK。

  原作はアクティビジョン。ゲームバランスは非常によく、アクションゲームとして名作と呼ぶに値する。

  しかし、アクティビジョンは本当に侮れないねぇ。ピットホール2といい、ヒーローといい。これ程の素晴らしいゲームを生み出す実力があるのだから。アメリカには、こんな凄いテレビゲームメーカーが健在だったのに、アタリショックなんてなんで起きたんだろう。駄作の氾濫の為なんて嘘で、本当は別に原因があるんじゃなかろうか。
 

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