’98に発売されたガンダム系のゲーム3本
1.機動戦士ガンダム・ギレンの野望(セガサターン)
10段階評価、9点うーん、やられたという感じ。バンダイは時々クリーンヒットをかっ飛ばすから侮れない。一年戦争をこのレベルでリアルにシミュレートしてくれたら大満足。追加ストーリーだらけの一年戦争の世界をよくぞここまで纏め上げた、という感じ。ファーストガンダム好きにはたまらないと思う。
些細な点で不満を挙げるとすれば、重要拠点を占拠した段階で、即その地のプラント設備が自軍のものに転用出来る上、採掘される資源もすぐに自軍の物資として活用できる事だろうか。交戦による都市の損傷という概念がないので、重要拠点を制する事がすなわち自軍の増強となる。このシステムだと、時間をかければかけるほど強力無比な兵器が開発できるジオン軍が有利になり、逆にジムスナイパー2以上の強力な量産型を持たない連邦としては、ジオンの抵抗を最小限に押さえるため、短期決戦を強いられることになる。ガンダム上の史実では、ジオンは占拠都市における戦線の維持と、物資の確保に苦しんでいたので、拠点占拠=(イコール)自軍有利とは必ずしも言えないと思う。あとは、アムロがやられた時のセリフが情けない。確かに劇中のアムロの言葉が採用されているのだが、もう少しましなチョイスはなかったのか。「親にもぶたれたことないのにぃ〜。」とか、「僕にはまだ帰れるところがあるんだぁ〜。」とかヘロヘロのセリフをのたまってくれる。しっかりせえよ、一年戦争の英雄。
多少の不満は論ったが、ウォーシミュレーションとしても出色の出来、キャラ物としても最高水準に入ると確信する。これで、売り上げがたったの30万本かぁ・・・。もったいない。ガンダムファンなら間違いなく買いだ。
2.Gジェネレーション(プレイステーション)
10段階評価、5点同じくバンダイのガンダム物。ファミ通の評価はおおむね「ギレンの野望」よりも高い点数を与えていたが、自分の評価は低い。初っ端の面にて、ルウム戦役をイメージしているのか、シャアが連邦艦船を次々と破壊する。しかし破壊されるのがなんとサラミス級巡洋艦5隻である。おーい、史実ではシャアはマゼラン級戦艦を5隻撃沈したんじゃなかったっけ?どの道破壊されるのだから、どっちゃでもかまへんと言われればそれまでだが、こういう些細な点も、マニアとしてはすごく気になる。
次の面ではホワイトベースのサイド7からの脱出が舞台となるのだが・・・・。ザクに向かうガンダムのアムロが、「ガンダムがただの陸戦兵器でない事を見せてやる!!」見栄を切ったはいいが、ビームサーベルで単に切り付けるだけ・・・ってそりゃ思いっきり陸戦兵器そのままじゃねえか!!「ギレンの野望」の時といい、今回といい、大丈夫か?アムロ。
アムロの言行不一致に辟易しながらも、何とかザクを倒して、サイド7からWBで脱出。いよいよ赤い彗星との遭遇だぁっ!と思いきや、シャアはWBやガンダムには目もくれず、画面左端の意味のない(としか思えない)所に配置された本陣に突進。あっという間に護衛砲台を突破して本陣を叩く。GAMEOVER。シャア!!おんどれ、V作戦を探りにきたんちゃうんかい!!ゲーム自体も、何でまたストーリーに関係無いところに本陣を設定しよるねん!!
ここで自分はキレてプレイを止めてしまった。大体、本陣というシステム自体に問題があるような気がする。軍人将棋じゃないんだから。
3.スーパーロボット対戦F完結編(セガサターン)
10段階評価、6点厳密には「ガンダム物」とは呼べないかも知れないが、登場メカの五割以上がガンダム系なので、ここに入れることにした。
「スーパーロボット対戦F」シリーズは、ストーリー的にはスーファミ版の「スーパーロボット対戦EX」を引き継いでおり、サターン版「第四次スーパーロボット対戦」と呼んでも差し支えの無い物。スパロボ史上最高傑作だったスーファミの「第四次」を超える出来になっているかというと、残念ながらそこまで到達していない。基本的システムは同じなのだが、ゲームバランスの詰めと、細部の仕上げにおいて1、2歩劣っていると言わざるを得ない。
登場メカの設定も、GガンダムやWガンダムが追加され、逆にザンボット3やライディーン、闘将ダイモスらがオミットされている。「第四次」に比べて「F」では最近のメカが多く採用され、’70sのメカが数を減らしているのだが、ターゲットとされる購買層も自ずと変化している事になる。バンプレストにその自覚はあったのだろうか。
また、これは雑誌「ゲーム批評」でも指摘されていた事だが、後半に行くに連れて敵のユニットの強さがやたらと増し、TVでは無敵だった主人公のメカ達が雑魚のようなMSやHMに苦戦させられる。ゲームバランスを考慮に入れても、あんまり弱すぎる主人公メカ達を見たい訳がない。いや、そもそもゲームバランスからして敵の増援に次ぐ増援で、やたら難易度が高くなっているし、それほど練られているとも思えない。大体からして、増援なんぞプレイ時間調整のための姑息な手段としか思えんぞ。
スーファミ版の「第三次」でブレイクしたスーパーロボット対戦だが、同じシステムで人気を引っ張るのもここに来て限界に来た感じ。FFやDQだって新しくなるたびに色々な趣向を凝らしてあるのだから、今後スパロボを出し続けるならドラスティックな中身の変容が必要ではないか?