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Fountain of youth
Last Update:05/16(月) 22:54

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リーダーRoy Haynes
リーダー楽器ドラム
形態カルテット
場所海外
レーベルDreyfus
録音年代2000年以降
メンバーMarcus Strickland(sax,bcl) Martin Bejerano(p) John Sullivan(b)
曲目@Greensleeves ATwinkle Trinkle BSummer NightCAsk Me Now DButch And Butch EInner Trust FGreen Chimneys GRmember HQuestion & Answer
解説者なおき
★購入・試聴はこちら★Fountain of youth
写真・画像など1095172794.jpg


 ▼Comment
Charlie ParkerやJohn Coltrane、更にはMiles DavisやPat Methenyに至るまで、様々な世代・方向性のJAZZミュージシャンとの競演を重ね、自らの音楽の可能性を極限にまで高め切り開いてきたドラマー、Roy Haynes.。今年2004年に78歳を迎える彼が、今一番熱い若手ミュージシャン達を従えて作り上げた新作が、今回のテーマ“Fountain of youth”です。
“Fountain of youth”とは日本語訳すると若返りの泉ということで、Haynes以外のメンバーは只今売り出し中といった感じの、活きの良い若手メンバーばかり。しかしながら、そんなメンバーの中に入っても、Haynesのドラムの迫力が一番聴く者を圧倒するという事実には、本当に驚かされます。最近のドラマー(特にフュージョン寄りの人、Steve Gadあたりは良い例か)はクローズ気味の、タイトで重量感のあるドラミングを聴かせるプレイヤーが多いのに対して、Haynesのドラミングには非常にエアが多く、スコーン!と突抜けるような、通りの良いオープンなサウンドを聴かせます。タイム感こそ違いますが、音色の本質はArt Blakeyとも通じるところがあるのではないでしょうか。単調さの無いクリエイティブな演奏を聴いていると、彼がJAZZドラムのひとつのスタイルを作り上げた、偉大なる巨人の一人であったということを改めて認識させられます。
サイドの若手陣で最も光っているのが、テナーのMarcus Strickland。テナーにはJoe Henderson、ソプラノにはColtraneの影を色濃く感じさせるプレイヤーです。よくよく聴いているとそれほど手数が多いというわけでもないのに、一音一音の存在感とフレーズの持つ方向性(ベクトルとでも言うべきか)で、もう完全に勝負がついてしまっている。だからそれ以上無駄に音を詰め込む必要もない。そんな印象を受ける演奏を展開していきます。彼は、確実に今後のテナーシーンの中心に躍り出て来る存在となるでしょう。
演奏内容はアコースティックなコンテンポラリー中心で、その中にDやGのようなストレートな4ビートがアクセント的に織り込まれています。意外とこの2曲が心地よく聴こえて、全体のバランス構成が上手いなあと感じます。@の冒頭、Marcusバスクラの一音目が鳴った瞬間、その場の雰囲気が一瞬にして変わるような緊張感。これだけでこのアルバムの出来の良さが分かります。とにかくどのテイクもハズレ無しですが、BやHなどのソプラノが入っている曲が個人的にはお気に入りです。
最近の録音盤の中では間違いなく5本の指には入るであろう超オススメ盤です。飽きずに長く楽しめる一枚だと思うので、是非是非お試しください!

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Pass:
Miniりすと v4.01