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On a different level
Last Update:11/09(日) 23:44

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リーダーNick Brignola(bs)
リーダー楽器その他
形態カルテット
場所海外
レーベルReservoir
録音年代80年代
メンバーKenny Barron(p) Dave Holland(b) Jack DeJohnette(ds)
曲目@Tears inside AHot house BDuke Ellington's sound of love CAll the things you are DBackwoods song EKey largo FSophisticated lady GSoftly as in a morning sunrise
解説者なおき
写真・画像など1068389059.jpg


 ▼Comment
地味な楽器にこそ真の実力者あり。JAZZに限らず、低音部でバンドの屋台骨を支えるような楽器には、職人タイプの実力派プレイヤーの割合が高いような気がします。わざわざ人が手にしないような楽器を選んで極めようとしているのですから、それも当然の結果なのかもしれませんが…。
今回テーマに取り上げるバリトンSAXプレイヤーNick Brignolaも、そんな地味楽器の名手を代表する一人。他のバリトン奏者と同様、Woody Herman(reeds)やCharls Mingus(b)等、王道である名門ビッグバンドで重要な役割を果し、その名を馳せてきたBrignola。80年代後半からは自己名義での作品を発表することも多くなってきました。
今回ご紹介するのは、その個人名義の作品の中でも評価の高い“On a different revel”です。共演者の豪華な顔ぶれを見ただけで、彼がどれほどの人物なのか、一発で御理解頂けるのではないでしょうか(録音もRudy Van Gelderなのです!)。そしてその素晴らしいサイドのサポートを受け、豪快にバリトンを吹きまくるBrignolaもまた見事。彼の演奏を聴いて感心するのは、「起承転結」の構築の仕方が非常に上手いという点です。一つのフレーズをとってみても、ソロ全体をとってみても、起伏に富んでいて、強弱・緩急のつけ方がしっかりしている。その上「おっ、ここが結だな」とわかる「落とし」の部分が必ずあるのです。どれだけフレーズがアウトしても、先にある着地の目標点をしっかり見据えていて、そこにきれいに着地できる。言葉にするのは簡単ですが、実際それを彼ほど上手くできるプレイヤーは、他にそうそういないのではないでしょうか。結構ぶっ壊れた演奏もしていますが、根本的なところでは音楽というものの本質をよく理解し実践している、大変優れたミュージシャンであると感じます。
馴染みのない方にはちょっと手にとりにくいジャンル(楽器)かもしれませんが、騙されたと思って一度手にとってみてください。(HMVやamazonのHPでは購入・試聴可)内容については僕が保証いたします(笑)!!

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Pass:
Miniりすと v4.01