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A happy afternoon
Last Update:10/27(月) 01:31

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リーダーDieter Reith
リーダー楽器ピアノ
形態トリオ
場所海外
レーベルMPS
録音年代60年代
メンバーPeter Witte(b) Charly Antolini(ds)
曲目@A happy afternoon ADays of wine and roses BBlues COn green dolphin street DWives and lovers EJust in time FFly me to the moon GHow about a blues
解説者なおき
写真・画像など1067185879.jpg


 ▼Comment
JAZZの楽しみ方にも色々な種類があります。好きなミュージシャンや楽器をひたすら追及する人もいるでしょうし、ある時代・時期(スィング、ビ・バップ、ハードバップ、モードなど)の演奏を限定して聴き込むなんていう方も少なからずいます。このようにいろいろと聴き方がある中で、今回テーマに取り上げてみたいのは「特定レーベル追求型」です。
JAZZの専門レーベルと言えば、王者Blue noteを筆頭に、名門VerveやConcord、ちょっと曲者のImpuls、欧州の癒し系ECMなど、大小様々なものが存在します。流石個性を売り物とするJAZZの世界だけあって、これらのレーベル、それぞれに独自のカラーを持っていて、それらを聴き比べるだけでもなかなか楽しいものがあります。
そんな中で僕が好んで聴いているレーベルの一つが、ドイツの名門MPSです。このMPSは、元々Oscer Peterson(p)の大ファンだったオーナーが自宅にプライベートスタジオを作り、そこに彼を招いて録音を始めたのがレーベル創設のきっかけと言うだけあり、録音レベルやアーティストの質などかなり洗練されたセンスを感じさせます。特にピアノトリオの完成度の高さは、他のレーベルと比較しても目を見張るものがあり、上記のOscer Petersonを始めとして、以前このレビューでも取り上げたルーマニアの雄Yancy Korrosy、ドイツのWolfgang Daunerなど、欧州を中心に数々の名手の作品を世に送り出してきました。
今回ご紹介するのは、僕が今まで聴いてきたMPS作品の中でも、特に素晴らしいと感じたDieter Reithの“A happy afternoon”です。ジャケットのデザインから「時計のライス」の愛称で親しまれているこの作品、全編を通していかにもヨーロッパのJAZZらしい知的でリリカルなサウンドと、タイトで小気味良いスィング感が楽しめます。1966年の録音とは思えない程の、瑞々しい音質もMPS盤ならではの素晴らしさです。非常にモダンなセンスで料理されたスタンダードと、オリジナル曲がバランス良く配置されていて、40分間通しで聴いても全く飽きが来ないのが嬉しい限り。
MPS自体は1978年に活動を終了していますが、作品は近年また続々とCD化され再販されています。MPSのサウンド(特にピアノトリオ)に対するこだわりは、その作品の中から自ずと伝わってきます。こういったこだわりの作品たちは、再販・CD化などといった形で、是非是非後世にも伝えていって頂きたいものですね。

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