Michel Petruccinni(p)のアルバム“Both worlds”で存在感のあるプレイを披露し注目を浴びたイタリア人Saxプレイヤー、Stefano di Batista。活きの良い新人が現れず、ちょっと低迷気味のアルト業界に於いては、今後面白い存在になってくると僕は思っています。 今回ご紹介するのは、彼が名門Blue Noteレーベルからリリースしたセカンドアルバム。全編を通して明るくドライな雰囲気の曲調からは、いかにもイタリア人らしいセンスの良さを感じることができます。ただ、アルトを吹いている曲だと、音色やフレージング等、どうも同じアルトのKenny Garrettとイメージがオーバーラップしてしまう部分があり、「どこかで聴いたことあるような演奏だな・・・」という印象を抱かせてしまうのがちょっと残念。しかしその反面、ソプラノのプレイでは彼独自のカラーがよく出ていていて、非常に好感が持てます。この作品ではサイドに起用したElvin Jones(ds)とJacky Terrason(p)が非常に良い仕事をしていて、作品の出来を数段上に引き上げています。 ソプラノを吹いているときのようなオリジナリティがアルバム全体を通して保てたら、なかなかの良い作品になるのではないかと感じさせる一枚。ちょっと注文をつけつつも、終始決算は充分プラスになる内容です。
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