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Domino
Last Update:02/28(月) 20:31

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リーダーRoland Kirk
リーダー楽器テナー.S
形態カルテット
場所海外
レーベルMercury
録音年代60年代
メンバー@〜G Wynton Kelly(p) Vernon Martin(b) Roy Haynes(ds)H〜M Andrew Hill(p) Vernon Martin(b) Henry Duncan(ds)
曲目@Get out of town ARoland BI believe in you CWhere Monk and Mingus live DDomino EE.D. FI don't know what time it was GSomeone to watch over me HMeeting on termini's corner IDomino JTime K3-in-1 without the oil LA stritch in time MLament
解説者なおき
★購入・試聴はこちら★ドミノ
写真・画像など1058023968.jpg


 ▼Comment
3本のリード楽器を同時に操る盲目の怪人、ローランド・カーク。近年彼の音楽性は改めて見直され、その評価は再び高まっていますが、一見して奇抜でグロテスクと思われがちなイメージの為に、未だ敬遠して聴かず嫌いの方も多いというのが現状のようです。
そういった聴かず嫌いの方や、未だカークの音楽に触れた事の無い方に是非聴いて頂きたいのが、今回ご紹介する“domino”というアルバム。カークの頭の中で描かれた独自の音楽世界を崩すことなく、モダンジャズのフォーマットと見事に調和が取れた、非常に聴き易く、且つ個性に満ちた作品です。このジャズっぽさというのは、バックのWynnton Kelly(p)やRoy Haynes(ds)らの影響力というのが少なからずあるような気もしますが。
カークの音に内包された底知れぬ悲しみ、哀愁、暗さ。きっと@の一音目を聴いただけで、それらを感じ取ることができるでしょう。Dのフルートの音色も何とも悲しく、そして何故かノスタルジックな香りがします。それと同時に、その悲しみを強引に打ち消すかの如く、演奏の中にちりばめられたホイッスル・サイレンなどの遊び心や、おどけたようなメロディーライン。カークの音楽の中には、奴隷としての日々の辛い労働を忘れる為に歌われたブルース、そして黒人音楽の原点や本質が垣間見られるような気がします。
音楽性のみならず、人生そのものがかなり数奇で個性的だったローランド・カーク。個性派揃いのジャズの世界に於いてさえ、その存在は希有であり、one&onlyなものです。残された音源を通して、その独特の世界観を是非御体験頂きたいと思います。

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Pass:
Miniりすと v4.01