美ら通信 第1号 1998年11月21日発行

【目次】



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美ら・日記(1)
 今年の6月7日の会社立ち上げから5ヶ月が過ぎようとしています。
 皆さま、お元気ですか。もう寒くなってきた地域もあるんでしょうね。沖縄はそろそろ秋ゼミの季節。山原の山々は、夏ゼミのジー、ジー、の虫音から、少しひょうきんなジーポの鳴き声。秋ゼミがびっしり。陽光が射すとまだまだ暑い日々です。冬場のやりくりどうしましょうか。困った、困った。
 「エコネット・美」のガイドをしてきて私たちの合い言葉は「バンザーイ!君に会えてよかった」という昨年のはやり歌。「ここをもっとこうした方がいい。」、「あれはあんなんではダメ。」と厳しいお叱り。核心をついていることばかりで、オッ、オッ、オッ、と後ずさり。すると、うしろの方で伸(西平伸)が、「わかりはする。わかりはするけど、あわてんケーヨ。」とニコリ。興(具志堅興英)はと思うと、海の方を見ながらタバコをぷかり。「ちゃんと聞かないと叱られるよ。お客さんは、神様だゾー。」社長(具志堅勇)はと思うと、魚の汁をがぶのみして小骨がのどにつまって、あげくは入院。琢磨(東恩納琢磨)は、「ジュゴンネット募集!1億円キャンペーン!」とオメメパッチリ。もうこうなりゃ頼りは盛良(稲嶺盛良)。見れば鉄砲かついでイノシシ捕り。トミさん(真志喜トミ)は娘の出産。「今度こそ産ませてあげたい!だから3ヶ月大阪へ行ってこーネ。」と。すごいですね。こうなりゃ、もう神ワザです。事務局の朝子(東恩納朝子)と美加(中野美加)。口もとは笑っているが、眼はつりあがり「コシイシは何やっとんのじゃ!コシイシは!」。「え、え、法治国家日本において、比嘉鉄也前名護市長のとった行動は・・。」「オンドリャ、ワテらをナメトンのか。法治国家がどうしたというんかい。それよか、お客さん集めんかい、お客さん!」「いや、民主主義・・」「なにー!『美ら通信』の約束を果たしてから、マンジュシャゲ見に行けー!」「いやマンジュシャゲじゃなくて民主主義・・。来週、さっそく会議を。」「お前は懐疑、懐疑とそんなに人をうたがって見てたんかー!」と。そんなこんなの山原東海岸瀬嵩。ドタドタ、ハチャメチャ、泥だらけ。会社の名前は「美(ちゅら)」。

 沖縄県知事選が終わりました。まばゆい現実が露出してきました。チャー、スガヤー。ナンクルナリヤッサー。しぶとい山原。2周おくれの山原ではこれからが本番。そのしぶとさにまだ気づいている人は少ないようです。あわてんケーヨ。あわてんケーヨ。どちらさまもお元気で。(コ)


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ヌーファにて(1) 西平伸
潮騒とやみ夜に光るさざ波が
虫の声とたわむれる
ヌーファの精に会いたくて
今夜は一人ここにいる

遠くで光り行き交う船は
出会い別れをくりかえし
おのが道を進み行く

浜風のとぎれることなき心地良さ
あちらでカサカサ こちらでカサカサ
アダン林のその下で朝までつづくこの音は、
ヌーファの住人(?)ヤドカリだ
昼は小さく遠慮して、夜は混雑こりゃすごい

アダン林の住人に、追われて浜に出てみれば
空に輝く星たちが、僕を大きくむかえてくれる
深い海にもぐるように、深い星間にもぐれそうだ

点滅する光(飛行機)が横に行き
小さい星(人工衛星)がたてに行く
銀河の川は遠すぎて
とても泳いでは行けそうにない

海亀の卵のねむる横でねる
君達に会いたくて会いたくて・・
おはようといつ言えるんだろう


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ヤドカリの歩み 稲嶺盛良
 振り返ると、昨年の9月頃から海上ヘリ基地問題が始まり、二見以北10区の会の立ち上げ、事務所作り、ジャンヌ会の誕生、ヘリ基地反対運動、住民投票への取り組み、名護市長選、エコネット・美の立ち上げと慌ただしく時が流れました。
 エコネット・美もオープンから3ヶ月近くになり、短い期間なのですが、私にとってはとても重みのある時。初のデモンストレーションでの天仁屋の御神松、火立ち跡にガイド案内する時には、不安でいっぱいでありました。しかし、仲間同士皆でかばい合い、励まし合いながらやったので、何とかやっていけました。そのうちに2回、3回と繰り返すうちに不安が薄くなり、スムーズに楽しくお客さんとの交流が出来るようになりました。じんぶん学校コースでは、主に、サンゴ見学、シュノーケリング、昔ながらの石うすを回しながらのとうふ作り、懐かしい土のかまどに自分達で薪を使用して火を起こし、ご飯やおかずを炊いたり、皆でとってきたウニや魚のにぎり寿司を作り、とても顔がくずれるほどにおいしく食べました。また、産卵の為に浜に上がってきた200kg程の大きな母海亀を見たり、8月から9月頃には、赤海亀、青海亀の赤ちゃん亀が、卵から孵化して浜を下って海に帰って行った事、3匹のマングースが現れ、最初の頃は、人の気配にびっくりして大慌てで逃げ去ったのが、最近は人に慣れて、こっちの様子をうかがってひょうきんになってきました。夜はヤドカリの観察、泡盛を飲み、星を眺めながら歌を唄い、本当に楽しく過ごした事が思い出されます。しかし、これからもぜひやっていかなければいけない事が山積みされています。夏場の案内が終わり、これからは、冬場の案内に変わっていきます。じんぶんコースでのシャワーのお湯の設置、センター小屋(宿泊所)の寒さ対策、周囲の整備、畑作り、各コースの整備他、いろいろやる事がいっぱいあり、楽しみであります。
 これまでやってこられた事は、ヘリ基地問題に関わってきた仲間、地域の皆様、自分たちを取り巻く皆様のおかげだと感謝しています。ありがとうございます。これからも、少しずつ頑張りたいと思います。

 じんとーにへーでーびる


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自由の森学園のみなさん、ニヘーデービル!
<11月18日。21名。中学生+塩瀬治先生。じんぶん学校体験ツアー参加。7時間。台風の余波があって心配、心配。瀬嵩の村踊りも重なり、どこに連れ行くか悩む。9時、自由の森学園一行嘉陽に到着。>

ガイド=稲嶺盛良、具志堅興英

興英:子供たちがとにかく素直。気持ちよかった。もし、あの歳に戻れるんだったら、あの学校のあの学年のあのクラスの生徒にもどってみたいと思ったサー。

盛良:ワンの子供と歳が同じだったし、興味があったよ。先生の雰囲気がものすごく良かった。子供たちがなにしろ一緒に遊べるなー、という気持ちだった。先生と生徒があんな関係であるなんてもう沖縄にも無いと思うヨ。

興英:生徒の中に、ガイド役の子がいて、通訳してもらったよ。最初、こちらがいろいろ考えてた計画があったけど、このガイドさんが中心になってみんなで海に行こうということになった。リーフの枝サンゴがある所に3回に分けて連れて行った。初めは、先生がすごく心配していた。

盛良:あんなお客さんだったら、何回やってもいいと思ったよ。あの素直さが山原の海にはぴったりだったヨ。

興英:トーフ作りは大豆を石うすでひいて、袋でこして煮立てて、海水で固めた溶きはみんなびっくり。じんぶん学校は陸の孤島のせいか、それがすごく生徒には新鮮に映ったみたいだった。こっちはいつも見慣れているから何とも思わなかったけど、生徒があんなに喜ぶと、本当にガイドしてよかったと思うナー。

盛良:先生は外人みたいで最初はびっくり。ぜんぜん先生らしくなく、いい先生にはいい生徒が集まるのかナー。こんな学校が内地にまだあるんだネー。

興英:帰りにマングローブの所に連れて行った。それも終わった時、生徒たちが「ガイドさん、私たちのお土産があります。」と言って、自由の森学園のトレーナーをくれたんだよ。その後で、生徒たちがアカペラで英語の歌と『翼をください』を唄ってくれたんだ。初めて四重奏の歌を聞いて、アッシャビヨーだった。どんなもの貰うより、あれには感激した。今でもあの歌声は耳に残ってる。バスに乗って、生徒たちが「来年も来るよー。」って言ってくれて・・。

盛良:エコツアーガイドは人と人との出会いがすべてだナ。


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サンゴの白化現象(1) 西平伸
 昨年暮れヘリ基地に揺れるあの日々、僕は嘉陽の高台にいて、ジュゴンに会いたくて、毎日日の出を眺めていた。海亀がいる、マンタがいる、小鳥がさえずり、海鳥が舞い、冷たい風をほほに受け、嘉陽の海を眺めていた。
 いつしかエコネット・美にいて、ヌーファの森を歩いていた。小屋を直し、カマドを作り、シャワーを運び、トイレを置く。一段落して海を見る。リーフが、サンゴが上がってる。小雨の中、リーフを歩く。そういえば、だしのよく出るカニがいて、くだいてみそ汁で、うまいときいた。思い出して見回すと、確かにカニはそこにいる。「何だ、たくさんいるじゃないか」何で今まで見えなかったのだろう。そこそこにカニを取り、サンゴの林を歩いている。茶色のサンゴがほとんどで、緑や紫と、あちらこちらで咲いている水の中のサンゴの枝は、小さな小さな白い手をいっぱい出して揺れていた。サンゴは動物だったのだ。サンゴに共生する褐虫藻が、水に溶けた二酸化炭素を自分の体に取込み、太陽の光を浴びて酸素を作る。そして、魚や貝達の豊かな生活の場所となり、自然の防波堤となる。
 そのサンゴが、この夏はおかしい。サンゴが白くなって行く。まるで光っているかのように、とてもきれいだ。白、黄、青、紫、なぜこんなに美しいのだ・・。原因は海水温の上昇で、サンゴに共生する褐虫藻がサンゴから離れ、サンゴは養分をもらえずにいて、自力では、2週間から1ヶ月しか生きられないとのことである。あの美しい白いサンゴは死に行くサンゴの最後の姿なのだ。白いサンゴを折ってみる。ヌルッとしたものがまだあり、かすかに命を宿している。となりの白いサンゴには、根っこの方から茶色の藻がついている。砂浜のサンゴの砂利と同じだ。折ってもただの石ころだ。地球規模で起こっているサンゴの白化現象に、僕はなすすべを知らない。ただ深みに残るサンゴ達が生きてまた、ヌーファの海を蘇らせることだろう。ヌーファの森は元気だから、ジュゴンや海亀達がいるヌーファの海だから、来年は小さなサンゴの命がたくさん生まれているだろう。


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真志喜トミのトミコーナー(1)
 沖縄では、三十四市町村で首長や議員を選ぶあつい戦いがやっと終わりました。選挙だけでなく、今年の夏は異常に暑く、海水温も高くなり、サンゴも白化現象がおきて、相当なダメージをうけており心配されます。が、九月に入ってさすがに朝夕は涼しくなり、夏がおわりつつあるなーと思うこの頃です。
 さて、涼しくなると暑さにうちしおれていた我家の庭の花々も活き活きとしてきました。今咲いているのは、ルリマツリ、ブーゲンビリアにバラ、アリアケカズラ、恒春カズラ等々、棚にはパッションフルーツの実がいくつかぶらさがって・・。こう書いてくると美しい庭が目に浮かぶと思うのですが、意に反して、我が庭はそれらが雑然と生えていて、しかも思い思いに枝を伸ばしてのさばっている状態であり、雑草も負けずと欲しいままに生え伸びています。
 この間「エコネット・美」を取材に来た若い男性が見かねて草刈り機で草刈りをやってくれたのですが、玄関前に広がっていたキラン草も根こそぎ刈り取ってくれたのには、ちょっと弱りました。来年の三月の花時にはちょっとさびしいなーと。
 今朝、庭に出てみると昨日の雨で涼しくなったせいでしょう。玉スダレのピンク、白、黄色の可憐な花が目にとびこんできて、一瞬に目が覚めてしまう美しさです。道向こうの小学校の堀からはサンダンカの赤い花が今を盛りと咲いているのや、オオギバショウ、クバの涼しそうな葉が風にそよいでいるのが見えます。我家でもアカヤシやフェニックスがほしいままに葉を広げ、狭い庭がますます狭くなっています。その中に、実のなる小さな穂も何本かあって、朝一番にカラスが来てその実をつつき、八時頃にはヒヨドリが、十時頃からは、ウグイス、メジロ、その他の小鳥が食餌に来る。夜になると、コウモリやフクロウもやって来てせっせと餌をついばむ。蝶も5〜6種類飛んでいますが、海が近いせいか、オオゴマダラを見かけることも時にある。狭く見苦しい庭でも蝶や小鳥にとって訪れやすい庭のようである。私にとっても落ち着ける庭であります。
 山原の山では、今、ハクサンボクの小花が密集して咲いて、まるで夜空の星々が地上に降りてきたかと思われる程です。沖縄では、秋から冬にかけて花の多くなるときで、山では、タイワンクズ、フヨウ、サザンカの花がまず咲き始め、つづいて、エゴの花、アオバナハイノキ、ハクサンボクと多くの花が、美しい季節となる。九月から三月には、又、いろいろの種類のミカンが実をつけ、ミカン狩りも楽しめる季である。
 秋から冬、春にかけて暖かく花の美しい季となる沖縄の山や街、村をぜひお楽しみ下さい。おすすめします。


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