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ドクター・ヤンのお気に入りの本たち

荻原規子 「勾玉まがたま」シリーズ


空色勾玉 空色勾玉まがたま
勾玉シリーズ 第一巻
荻原規子
徳間書店

    村娘狭也さやの幸せな日々に,影を落とすのは普の記憶‥‥「鬼」に追われた六歳の自分。十五になった祭の晩に,「鬼」はついに追いついた。〈 おまえは「くら」の氏族の巫女姫だ 〉 と告げられて,憧れの「かぐ」の宮に救いを求める狭也。だが,宮の神殿でいましめられて夢を見ていた「輝」の末子すえご稚羽矢ちはやとの出会いが,狭也の運命を大きく変えていく‥‥
    神々が地上を歩いていた古代の日本「豊葦原とよあしはら」,光と闇がせめぎあう戦乱の世を舞台に,「水の乙女」と「風の若子」の冒険と成長,運命の恋を描き,圧倒的な人気を博したファンタジー。


白鳥異伝 白鳥異伝
勾玉シリーズ 第ニ巻
荻原規子
徳間書店

    遠子とおこ小倶那おぐなは双子のように育った。都に出る日,小倶那は誓った‥‥必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇おろちつるぎ」の主として帰り,遠子のさとをその剣で焼き滅ぼしてしまった‥‥。
    「小倶那はタケルじゃ,むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に,何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが,ついに再び会う日が来たとき,遠子の目に映った小倶那の姿は‥‥?
    神代から伝えられた「力」をめぐって,「かぐ」の末裔すえ,「くら」の末裔の人々の選択を描く,ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。


薄紅天女 薄紅天女
勾玉シリーズ 第三巻
荻原規子
徳間書店


風神秘抄 風神秘抄
勾玉シリーズには数えられていないが,シリーズの第四巻あるいは外伝ともいえる作品
荻原規子
徳間書店

    坂東ばんどう武者の家に生まれた十六歳の草十郎は,腕は立つものの人とまじわることが苦手で,一人野山で笛を吹くことが多かった。平安末期,平治の乱に源氏方として加わり,源氏の御草司,義平を将として慕ったのもつかの間,敗走し京から落ち延びる途中で,草十郎は義平の弟,幼い源頼朝を助けて,一行から脱落する。そして草十郎が再び京に足を踏み入れた時には,義平は,獄門に首をさらされていた。絶望したそのとき,草十郎は,六条河原で死者の魂鎮たましずめの舞を舞う少女,糸世いとよに目を奪われる。彼女の舞には,不思議な力があった。引き寄せられるように,自分も笛を吹き始める草十郎。舞と笛は初めて出会い,光り輝く花吹雪がそそぎ,二人は互いにかれあう。だが,その場に,死者の魂を送り生者の運命をも変えうる強大な力が生じたことを,真に理解したのは糸世だけだった。ともに生きられる道をさぐる草十郎と糸世。ニ人の特異な力に気づき,自分の寿命を延ばすために利用しようとする時の上皇後白河。一方草十郎は,自分には笛の力だけでなく,「鳥の王」と言葉を交わすことができる異能が備わっていることに気づく‥‥。平安末期を舞台に,特異な芸能の力を持つ少年と少女の恋を描く,人気作家の最新作。


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