融解熱・蒸発熱の値は,物質によって決まっている。具体例をいくつか示しておく。
物質の融解熱と蒸発熱〔kJ/mol〕
| 物質 | 融解熱 | 蒸発熱 | 物質 | 融解熱 | 蒸発熱 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 塩素 Cl2 | 6.41 | 20.4 | 塩化銀 AgCl | 13.2 | 183 | |
| エタン C2H6 | 2.86 | 14.7 | ヨウ化ナトリウム NaI | 23.6 | 160 | |
| 塩化水素 HCl | 1.97 | 16.2 | ナトリウム Na | 2.63 | 89.1 | |
| 水 H2O | 6.01 | 40.7 | 銅 Cu | 13.3 | 305 |
この表から,たとえば,水は,固体から液体に変わるために,1mol あたり 6.01kJ(キロ・ジュール)の熱エネルギーが必要であり,さらに,液体から気体に変わるためには,1mol あたり 40.7kJ の熱エネルギーが必要であることがわかる。
また,物質によって,融解熱・蒸発熱の大きさは異なることがわかる。このことから,物質ごとに,その結合が固体から液体へ,液体から気体へと変化するのに必要な熱エネルギーの量が違うことがわかる。
融解熱・蒸発熱は,普通,1気圧下において,1mol または1g あたりの熱エネルギー量で表す。
なお,気体から液体へ(凝結あるいは凝縮),液体から固体へ(凝固)にあたっては,それぞれ,蒸発熱,融解熱に等しい熱エネルギーを放出する。