沸騰


 蒸気圧は温度が高いほど大きい。1例として,水の蒸気圧を表に示す。

温度(℃)0102030405060708090100
蒸気圧(mmHg)4.589.2117.531.855.392.6149234355526760

 データをみると,温度が高くなると蒸気圧が大きくなり,100℃において蒸気圧が 760mmHg すなわち大気圧と等しくなっているのがわかる。
 蒸気圧は,見方を変えれば,液体粒子が気体粒子として液体の外へ出ていこうとする圧力と考えることもできる。そうすると,蒸気圧が大気圧よりも小さい間,すなわち,水においては 100℃以下では,水分子は気体に変わって出ていこうとするのを大気圧に押しつけられて妨げられていることになる。したがって,100℃以下の温度では,気化は水面だけで起こる。しかし,温度が 100℃になると蒸気圧が大気圧と等しくなるので,分子が気体に変わることの妨げがなくなり,そのため,気化は水面からだけでなく,液体の内部でもさかんに行われるようになる。この現象が「沸騰」であり,液体内部で泡(水蒸気)が激しく発生する。

 沸騰が起こる温度が「沸点」であるから,沸点は,「蒸気圧が大気圧と等しくなる温度」ということができる。

 蒸気圧のデータをグラフに表したものが「蒸気圧曲線」である。水,エタノール,ジエチルエーテルの3種の物質についての蒸気圧曲線を左図に示す。横軸に温度,たて軸に蒸気圧をとってあり,曲線 a が水,b がエタノール,c がジエチルエーテルの蒸気圧曲線である。
 沸点は「蒸気圧が大気圧と等しくなる温度」であるから,この3物質についての沸点は,グラフ上でたて軸の蒸気圧が 760mmHg となる横軸の温度を読み取れば良い。曲線 a の水は温度 A(これは 100℃であることは前記の通り),曲線 b のエタノールは温度 B ,曲線 c のジエチルエーテルは温度 C がそれぞれ沸点である。( B は78℃,C は 34℃である)


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